“勉強嫌い”はあたりまえ。これを受け入れると業務改善の成功確率が300%向上します
ほとんどの人は勉強がきらいです。その証拠に休みの日に勉強をしているのはごく少数のひとたちです。このことはほとんどの人が知っていますが、業務改善のプロジェクトでは勉強を強要するようなことを現場に求めることが頻繁におきます。新しい技術を勉強して、さらにデータの分析手法も学んでていくといったように様々な勉強を強要する形でプロジェクトは進んでいきます。
当然のことですが、嫌いなもの、つらいものが続くわけはなく、導入までは業者の賢明な営業活動によって進みますが、導入した後は少しずつ利用する頻度が減り、半年もたつと誰もまったく使わないといったことが起こります。これは働いている人たちがだめなわけではありません。みんなが嫌いなことを強要する進め方が問題なのです。
勉強しなくても“できる”ようになる仕組みを考えよう
業務改善の基本は、無駄をなくしていくことにあります。しかし、きらいなものをやらせていると、三日坊主で終わってしまい、取り組み自体が無駄になります。無駄をなくすためお取り組み自体が無駄になるというのは悲しい結果です。こうした事態を回避するために勉強いらずの状態を目指していきましょう。そのためのポイントを簡単に紹介すると次のようなものになります。
1. ゆっくり、少しずつ、適切な高さの階段をつくる
2. 勉強せずとも“慣れる”だけでできるものにする
3. すぐに“楽“を体感できるようにする
「気が付いたら業務改善できていた」を目指そう
急激な変化は大きなストレスを生みます。プロジェクトを進める側としては、早く終わらせて結果を出したい気持ちになり、その結果、成果をすぐにだせるような進め方をしてしまいがちです。しかし、ここは我慢が大切なところです。成功するためにほんの少しずつの変化を積み重ねて、1年後に気が付いてみたら業務改善できていたという状態を目指しましょう。
急激に大きな変化を取り込むような進め方は、働く人たちの不安をあおります。でも、毎日とはいわずとも、毎週少しずつ、ゆるやかな変化、これなら登れるという階段をつくって、のぼるたびに仕事が楽になっていくことを体感できたのであれば、少しずつみんなが前向きになり、さらに勉強をしっかりとせずとも、自然とできるようになっていきます。そのために、プロジェクト推進者は、勉強しない限り絶対にできるようにならないものを見極めて、それを除外することに最新の注意をはらいましょう