営業やマーケティングで自動化を成功させるポイントは「確率を上げる」ということに徹底すること
営業やマーケティングにおける業務の自動化というと、「大量の処理」であったり「標準化(属人性の排除)」などに目が行きがちですが、こうしたことを目的の中心に置くと失敗する確率が上がっていきます。こうしたことを目的にしてたどり着くのは「誰でも実行可能で、大量に処理することができる」状態になるわけですが、それが営業やマーケティングとしての本来の目的である”売上”にどこまで寄与するかは別だからです。では、営業、そしてマーケティングの自動化において本当に大切にすべきものは一体何なのか。それは「確率を上げる」ということです。
最も重要なのは売上のための様々な業務の「確率を上げる」ということ
営業の強化という話になると、数値の見える化などが論点の中心になりがちです。たしかに、こうした一般的な営業支援系のツールやシステムが得意とするものも、売上強化の効果はある程度は見込めます。しかし、それはこれまで管理がずさんで取りこぼしていたものを、的確にキャッチできるようになったというだけのことです。売上を本気で強化するための、営業やマーケティングの自動化を検討していく上では、こうした管理力の強化に近い目線よりも、有能は管理職が日常的に行っている「分析と改善のスピードと質を上げる」ということが重要になります。
まず、見える化は絶対条件ではありますが、数値が見えただけでは、売り上げ目標が達成できそうなのか、それとも未達に終わりそうなのか、誰の成績が良いのかということが把握できるに過ぎません。重要なのは、数値を把握した後、様々な業務や工程、プロジェクトなどの成功、失敗の確率を把握し、成功の回数を増やすことです
自動化すべきは優秀な営業マネージャーの活動そのもの
営業やマーケティングで重要なのは当たり前ですが「売上を上げる」ということです。結果を残す営業マネージャーは、何をすればより売上が上がるのかを徹底的に考えます。営業スタッフのアプローチ方法が悪いのか、資料なのか、それともアプローチする時間や曜日か、接触回数、接触頻度はどうか。こうしたことを考え続け、より高い確率で売上があがるように、毎日のように改善を行い続けているのが優秀な営業マネージャーです。彼らは影響を与える因子を探し続け、検証をし、改善を行っています。結果が出るのはたまだまではなく、秀逸なPDCAを回した結果であり、偶然ではなく必然なのです。
営業の現場スタッフの業務を自動化することも大切ですが、そうしたスタッフがどういった作業を行うべきかはもっと重要なことです。たとえば、営業を強化するために、テレアポの業務の一部を自動化したとしても、テレアポからの契約率が低いのであれば、その自動化は売上にさほど貢献しないものになります。DMで送るリスト作成の作業を自動化したとしても、そこからの売上が上がらないのであれば、その自動化はスタッフの負担を減らすことに以外には何ら役立たないものといえます。重要なのは”確率の高い施策”を見つけた上で、その作業を大量に行うことです。確率が低いものを自動化し、大量に行ったとしても結果が伸びることはあり得ません。
営業やマーケティングの自動化というと、特定の業務を自動化することなどを思い浮かべる方も多いと思いますが、どういったものが”確率”が高いのかを考える作業の自動化は、大きな組織になるほど効果が絶大です。より効率的なシステムの検討をされている方は、”確率”というところを視点の中心においてみてはいかがでしょうか。